当院では、結膜炎、ドライアイ、眼精疲労、飛蚊症、メガネ・コンタクトレンズ処方などの一般眼科診療、斜視・弱視などの小児眼科診療のほか、以下のような専門的診療を行っています。
院長の私がそもそも眼科医を志した理由は、自身が強度近視でいろいろな不自由を感じてきたことにあります。残念ながら一度進行してしまった近視は元に戻らず、私も自身の近視を根本的には治すことができません。そのため小児期に近視を少しでも進ませないようにすることが重要であり、近年日進月歩で研究が進んでいます。当院では、近視進行抑制治療として、低濃度アトロピン点眼を行っています。
近視とは、遠くを見るときにピントが網膜より前に位置してしまい、像がぼやける状態です。
多くは、眼球の奥行の長さ(眼軸長)が伸びてしまうことによって起こります(軸性近視)。
強度近視になると眼軸長の伸長が著しく、それだけ眼球の形状が変形することになりますので、色々な目の病気の発症リスクが高まります。強度近視の人は、近視でない人と比べて、緑内障に3倍、網膜剥離に20倍なりやすくなるというデータがあります。
近視は小児期に進行しやすく、近視人口は年々増え続けています。小児期に近視の進行を抑えることができれば、視力低下や将来的な近視合併症のリスクを抑えることができると考えられます。
アトロピン点眼には、強力な近視進行抑制・眼軸伸長抑制効果があることが古くから知られていました。しかし従来の1%アトロピン点眼液は、散瞳によるまぶしさ、遠近調節機能低下による手元の見にくさ、アレルギーなどの副作用が強く、長期使用が困難でした。
近年、副作用の少ない低濃度(0.01%)アトロピン点眼でも近視進行抑制効果があることが分かりました。研究によってばらつきはありますが、15〜60%程度の近視進行抑制が報告されています。
低濃度アトロピン点眼は、近視が進行しそうな学童期のお子様が良い適応となります。1日1回寝る前に点眼します。
長期的に近視進行を抑制するためには、一定期間以上の治療が必要です。まずは2年間以上、可能なら中学高校までの継続が推奨されます。